採用と昇進は、候補者の能力よりも自信にもとづいて行われるという、一般的な傾向がある。そして、実際に成果を上げて組織に多く貢献する人よりも、短期的なコミュニケーション(たとえば採用面接など)において、他者を惹きつけたり、手玉に取ったりすることに長けた人のほうが、格段にキャリアアップしやすい。
自信、積極性、政治力、セルフ・ブランディングなどの向上を説く助言はすべて、うわべよりも本質を見る能力が雇用主に欠けていることの明白な表れである。残念ながら私たちの住む世界では、中身がなくてもうわべだけがよい人のほうが、うわべはまったく冴えないが中身がある人よりも成功しやすいのだ。