プリオンは誤って折り畳まれたタンパク質で、脳内で有害な塊になる。病気を引き起こすことはまれだが、発症すれば確実に死に至る(人の最も一般的なプリオン病はクロイツフェルト・ヤコブ病[CJD]で、米国で年間500人が死亡している)。
プリオン病にかかる原因は次の3つだ──不運な親から遺伝することもあれば、特発性であること、つまり偶然の突然変異の場合もある。それから汚染された角膜や皮膚の移植、あるいは牛海綿状脳症(BSE)、俗に言う狂牛病にり患した牛の肉を介して異常タンパク質が体内に入ることによって起きる場合もある。原因がなんであれ、いったん症状が出ると、病気は急激に進行し回復しない。異常プリオンは脳を壊し、健康な組織を殺し、脳を穴だらけにしてしまう。