川の浅瀬に若い女が立っていて、どうやって向こう岸に渡ろうかと思案している。
たまたま居合わせた僧のひとりが、その女を肩にかついであげましょうと提案した。
もうひとりの僧は、僧侶が女性の身体に触れるなんて、と内心腹を立てたものの、何も言わなかった。
僧が女をかついで無事に向こう岸に渡ると、女はお礼を言い、その場を去った。
その日の夜のこと。とうとうひとりの僧が、女をかついだ行為を責め立てた。
すると、女をかついで川を渡った僧は言った。
「おまえはまだ、彼女をかついだままなのか? 私はもう数時間前に肩から下ろしたというのに」