自分が20歳くらいのころでしょうか。戸辺さんのお家に長いことお世話になっていた期間があったんですけど、そのときに自分が新型インフルエンザにかかってしまい、すごく迷惑をかけたことがありました。
戸辺さんはそのときにはすでに結婚していて小さいお子さんもいたんです。感染する危険もあるので、さすがに新型インフルエンザの病人を家に置いておけないじゃないですか。でも、放り出すこともできない。そのときに、戸辺さんが近くのホテルをとってくれたんです。それだけじゃなく、その隣の部屋も手配してひと晩中、看病してくれたんです。
2日間も夜通しで様子を見に来てくれて、たまに意識がふっと戻ると、戸辺さんがおでこのおしぼりを代えてくれていたり…。ホテル代まですべて面倒を見てくれて「こんな人いるんだ」と思いました。