五冠になったことで、周囲の「七冠」という期待も感じていました。早碁も含めてほとんど全部の棋戦で決勝あたりまで勝ち進めた時期が一瞬だけあって、このときは自分でも「どこまで行けるか」と楽しみにしていたものです。
でもこのころから、井山(裕太・六冠)さんが頭角を現し始めていました。いやもう、ものすごい天才だと思いましたね。今だから言えることでもあるのですが、かなり早い段階で、才能も実力も努力もすべて負けていたのではないでしょうか。その割にはその後、僕なりにかなり粘ったのではないかとも思っているのですが…。