京アニは、日常のきらめきを繊細なタッチで描く高品質な作品が特徴で、京都のものづくりの「象徴」ともされる。1981年の創業時は下請けだったが、今では業界準大手に成長した。
 「京アニは今や、太秦に勝るとも劣らない京都の誇るスタジオ」と語るのは、京都文化博物館の森脇清隆・映像情報室長。火災に遭った第1スタジオにも訪れたことがあり、「全ての原画を鉛筆で手書きして、CGとは異なる魂を込めていた。日本中のアニメーターの憧れの場なのに…」と声を落とした。
 京アニの作品は、「けいおん!」など京滋の風景が登場する作品が多い。岡本健・近畿大准教授(観光学)は「関西を舞台に具体的な場所の背景を忠実に描くことで、2000年代後半以降にファンがゆかりの地を訪ね歩く“聖地巡礼”ブームの礎を築いた。新たな文化を生んでおり、この惨事による経済的な影響も計りしれない」と語った。

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