マイクロソフトのインターネット・エクスプローラー(Internet Explorer)が2004年までに市場の95%近くを獲得したとき、評論家は、「ブラウザ戦争は終わり、市場の形勢は決まり、マイクロソフトが勝利を収めた」と宣言した。とんでもない大失敗でもしない限り、マイクロソフトが負けを喫することはないと思われたが、その通りのことが起きたのだ。
ほぼ10年をかけて、マイクロソフトはトップの座を明け渡していった。2004年~2008年におけるインターネット・エクスプローラーのきわめてお粗末な製品の出来栄えは、ファイヤーフォックス(Firefox)の台頭を許した。そして2008年~2015年の劣悪な製品イノベーションは、グーグル・クローム(Google Chrome)にチャンスを与えた。