私たちの誰しもが他人のパフォーマンスに対する評価者としては驚くほど信頼性が低いことが実証されてきた。この他人を評価する能力を損なう効果は「評価者特異性効果(Idiosyncratic Rater Effect)」と呼ばれる。
私があなたに対して下した評価のうち、平均で61%は自分自身を反映したものだという。
言い換えると、私があなたについて何らかの評価をするとき、白日の下にさらされるのは、あなたのことよりも私自身のことなのだ。
マネジャーに対する評価のばらつきの半分以上は、評価者個人に特有の評価パターンによって説明できることがわかった。
つまり、私たちは評価といえば、評価される相手について何かが明らかになると思いがちだが、実際はそうではない。むしろ評価する側に関して、多くのことが明らかになるのである。