井上慶太九段は「藤井聡太二冠に勝った最年長棋士」「藤井聡太“六段”に勝った唯一の棋士」という異名をもつ。この由来となった対局が、2018年3月28日に行われた王将戦の1次予選3回戦だった。
藤井聡太五段は、2018年2月17日、朝日杯オープンで優勝したことで、六段に昇段。そして同年5月18日に、竜王戦ランキング戦で船江恒平六段を破り竜王戦四組に昇級したことで七段に昇段する。
つまり六段だった時期はわずか3カ月しかなかったのだが、この期間に11回の対局があって、成績は10勝1敗。つまり藤井聡太“六段”に勝った唯一の棋士が井上慶太九段(当時54歳)だったのである。