従来のトリアージのガイドラインでは、臓器障害を点数化してその合計で重症度を評価する「SOFAスコア」と呼ばれる判定システムが採用されていることが多い。例えば、肝臓や心臓の機能が低下している場合は人工呼吸器を使っても生存確率は低いため、これがひとつの基準になる。

ただ、救急医療の専門家たちが3月初めに全米医学アカデミーに提出した論文は、COVID-19の治療でSOFAスコアを過度に信頼することに対して警鐘を鳴らしている。SOFAスコアはそもそも、敗血症での臓器障害の深刻さを判断するためにつくられたものだ。論文では2009年に起きたH1N1亜型インフルエンザウイルスのパンデミックのデータを基に、SOFAスコアは肺炎による肺の機能不全においては、生存可能性の予測にほとんど役立たない点が指摘されている。

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