鶴瓶は、そんなファンから差し入れにおにぎりをもらった。新幹線が発車するまでの間に、鶴瓶はそのおにぎりを頬張った。
ファンからもらった食べ物は食べられない、と訝しむさんまに向かって鶴瓶は言った。
「たしかに何か変なものが入ってるかもしれんしな。俺も怖いよ。でもな、俺はファンを信じてこれを食べんねん。見てるとこで食べると喜んでくれるやろ。芸人は喜んでもらってなんぼや。俺はファンを大事にしたいねん」
新幹線が発車し、ファンが見えなくなると、食べかけのままそのおにぎりをしまった。「もう食べないのか」と問うさんまに鶴瓶は当たり前のように言って笑った。
「見てないところで食べてもしゃあないがな。俺は今、あんまり腹空いてないねん」