大﨑:松本人志が週刊朝日で連載していた『遺書』が書籍になった時に、契約に行くと、印税は◯◯%ですと言われたんです。なんやそれと。出版の仕組みを分かっていないから、そんなに著者の取り分が低いって知らなくて、「もうちょっと何とかなりませんかね」と、ずっとやり取りをした。そのとき、司馬遼太郎さんの印税を聞いたら、それも低かった。8割とちゃうんや、と笑ってしまった。「じゃあ、司馬遼太郎さんと一緒にしてください。ただし、万が一100万部売れたらプラスいくら、200万部売れたらプラスいくら、というふうにしてくれませんか」という交渉をしました。
『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』のビデオを出すというときに、担当の人と話をすると、演者の取り分は◯◯%ですと言うんです。えんえんと交渉を続けて、結局2年ぐらいかかって、◯◯%になって、また何本売れたらいくら、という契約をした。結局10倍ぐらいの取り分になった。「世の中ってこんな仕組みになっとるんやな」と。だから出版社もレコード会社もテレビ局も自社ビルがあって、僕らはいまだに間借りなんやなと。大人ってこんな仕組みをつくってるんやなあと。