ファーストリテイリングは11年10月、筆頭株主の柳井氏が保有する531万株(議決権割合5・2%)をオランダの資産管理会社に譲渡したと発表した。オランダは海外からの投資を呼び込むため、一定の条件を満たせば外国子会社からの配当や株式譲渡益を非課税とする制度などを設けている。

 ファーストリテイリングの16年8月期の年間配当は1株当たり350円。保有株数を単純に掛け合わせれば、配当金の総額は年間約18億6000万円となる。長嶋氏は「柳井氏が個人で保有していれば、所得税・住民税の最高税率55%で課税され、約10億円の税が生じていたはず。オランダ法人に譲渡することで、こうした所得税が非課税となっている可能性がある」と指摘する。

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