新しいアイデアで「次の大きな対局のときにとっておこう」と思っても、そのとっておく期間の間に戦術が変わってしまっているというケースが非常に多いです。
またもう1つは、今本当に情報化の時代で、どんどん情報が流れていくので、もし自分がある1つのアイデアとか発想を思いついたら、それはすでに他の誰かが思いついているっていうふうに考えるようにしているんです。
実際そういうことも多いので、ですから出し惜しみしていても、ただ機会を逃してしまうだけなので、一番近いそういう機会、タイミングがあったときにその手を指すというケースが多かったです。
今期の竜王戦に関していうと、それほど前から温めていた作戦、新手みたいなものを指したというわけではないですけれども、一応自分なりに最近のトレンドみたいなものを取り入れて、アレンジして、一局一局迎えていったっていう背景はあります。