医師における燃え尽き症候群のパンデミック(爆発的流行)だ。これは世界医師会(WMA)が使った表現で、原因は、診察や治療内容を記録する膨大な電子的なペーパーワーク(保険や還付金の申請手続きや、法医学的な責任を問われたときに備えて必要不可欠だ)である。
医師の半数以上が、やってもやっても終わらないドキュメンテーションと報告書作成業務(1時間の診療時間に対して2時間を要することも多い)に疲れ果てていると答えている。2019年6月の内科学紀要で発表されたある研究は、「燃え尽きた」医師の交代増加と、その結果生じる診療時間の減少は、控えめに見ても年間46億ドルのコストを生じさせているとの見方を示している。