一般的に、特定の病原体を撃退するための抗体を一度でも獲得すると、再びその病原体に感染することはない。だが、抗体のなかには時間の経過とともに弱くなるものもある。また、風邪や季節性インフルエンザのように突然変異するウイルスでは、ある型に対しての抗体を獲得しても、ほかの型に予防効果は期待できない。
新型コロナウイルスは、ほかの4種類の風邪のコロナウイルスのように免疫の有効期間が短いのか、それとも重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)のように数年続くのかは、いまだにわからない。数種のコロナウイルスと、それらに対応する抗体をみた過去の研究では、基本的に重い症状を経験した患者ほど、抗体が持続する期間が長いことが示唆されている。