粒子状物質(PM)だ。
PMは一種の総称で、ハウスダスト、煙、すす、ウイルス、真菌(カビ)、細菌などを含んでいる。空気中の粒子は、直径10µmくらいの大きさなら鼻毛に引っかかるので、人はそれを肺まで吸い込むことはない。いつの間にか飲み込んだり吐き出したりしている。でも、もっと小さな粒子──直径2.5µm以下──は肺の奥まで入り込む。もしその粒子にアスベストのような毒性があれば、致命的な影響があるかもしれない。世界保健機関(WHO)の推計によれば、肺がんによる死亡者の5パーセントはPMに起因する可能性があるという。