1997年春の「Body Meets Dress, Dress Meets Body(体が服で、服が体)」コレクションは、さらなる誤解を受けた。ランウェイを歩くモデルたちは、ギンガムチェックの布で無骨な形のパッドもろとも体を包んだようなドレスをまとっていた。体の形を意図的に歪めたこのドレスを、プレスは"こぶドレス"と呼んだ。それでも川久保はその反応に満足しているようだった。「人々が怖いと感じるなら、それは良いコレクションなんだと思います」と彼女はかつて語っている。「10年後には誰もがそれを美しいと考えるようになります」

それから約10年後となる2005年秋、川久保は「壊れた花嫁」コレクションを発表した。『Vogue』誌は、「高尚なコンセプトと美しい服–レースやフリルをふんだんに使ったロマンチックなヴィクトリア朝の世界観」とこれを絶賛した。これに対して、川久保は苛立ちをみせた。「そんなに解りやすいものを作ってしまったかと不安になります」

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