・中立の立場を取るウズベキスタン、アゼルバイジャン、トルクメニスタンは、ロシアとも西側諸国とも連携する理由がほとんどない。この三か国はどこもエネルギーを自給でき、国防にせよ交易にせよ、西側にもロシアにも何ら義理を負っていないためだ。
・ロシア寄りなのはカザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ベラルーシ、アルメニアだ。これらの経済は、東部ウクライナと同じようにロシアにしっかり結びついている。
・ジョージア、ウクライナ、モルドバもここに加えることができる。三か国ともNATOとEUへの加盟を希望しながら敬遠されているのは、地理的にロシアに近く、ロシア軍やロシア寄りの義勇軍が国内に駐留しているためだ。この三か国のNATO加盟は戦争の火種になりかねない。
・ウクライナ暫定政府は勝利に興奮したのか、すぐさま愚かな改革を始める。中でも目を引いたのが、ロシア語を準公用語と定める法律の廃止だった。政府の発表が激しい反感を買ったのは当然と言えよう。この事態は、ウクライナのロシア民族を守るという口実をプーチン大統領に与える結果となった。