マーケティング、営業、採用、財務などの担当者も含む全員に、1週間かけてアプリをつくらせるのは奇妙に思えるかもしれない。彼らはこのスキルを、日々の業務ではけっして使わない。しかし、これがTwilioの通過儀礼なのだ。技術職か否かを問わず、全員がTwilioの通信プラットフォームを使ってアプリをつくり、会社の夕食会でプレゼンテーションする。そして、Twilioのプラットフォームを通じて電話またはテキスト送信ができるアプリの開発に成功したことを、社員たちの前で証明できれば、Twilioのロゴが入った赤いジャージを受け取り、社員たちに盛大に喝采されるのである。

 そうして「顧客の立場に立って考える」ことは、ブートキャンプを通して、壁に飾られた標語以上のものになる。これによって650人の全社員が、自社の製品について、そして顧客がそれをどう使う可能性があるかについて、明確に理解できる。その結果、営業担当者の能力も製品マネジャーの共感力も上がる。そして社員は部署を問わず、仕事に対する満足感、生産性、情熱を高めるのだ。

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