シロアリの巣というと、地面の上に巨大に突き出た円錐の塚やら、筒のような塚やらを写真で観たことがある人も多いだろうが、実はシロアリは地面の屹立した派手な塚ではなく、その地下の巣に住んでいるのである。じゃあなんであんなデカイ物を作らねばならぬのか? アリ研究者のターナーによれば、酸素と二酸化炭素を交換しやすくして、シロアリたちが窒息しないように機能する、まるで人間の肺のような機能を持っているのだという。肺の場合、人間が空気を吸い込むことで循環するが、シロアリの場合は彼らが絶えず塚の形を変え続けていることがそこにあたるのだと考えている。