日本人は概してユーモアに乏しく、又之を好まぬ傾向があるが、実は根柢的に楽天的な国民で、日本人がシンから悲観し打ちのめされるなどということは殆ど有り得ぬ。
 私の隣組は爆弾焼夷弾雨霰とも称すべき数回の洗礼を受けたのであるが、幼児をかかえた一人の若い奥さんが口をすべらして、敵機の来ない日は淋しいわ、と云ったという。

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