なぜ、歯周病菌が動脈硬化を進行させるのか? それは、歯周病菌のギンギバリス菌とギンギバリス菌が分泌する無数の外膜小胞(outer membrane vesicles (OMVs))に細胞侵入する性質があり、それによって動脈に慢性炎症が起こるからです。
動脈の慢性炎症が起こると、血液中のLDLが動脈の内膜に入り込み、酸化して酸化LDLに変化します。これを処理するために白血球の一種も内膜へ入り込み、今度はマクロファージに変わります。マクロファージは酸化LDLを取り込んで泡沫細胞になり、炎症性物質を放出して動脈のあちこちで慢性炎症を誘発します。これらが引き金になって、動脈硬化が促進されるのです。