20代のころは「地理的な音楽の広がり」というものに、すごく興味がありました。地球上の音楽──あらゆる場所にいろんな音楽があるということへの興味が強くて、いろいろ勉強していた時代ですね。中南米、インド、中国とか、そうした民族音楽の要素を非常に勉強していたし、好きだったんです。
その興味がだんだん、「時間軸」に変わっていった。次元が変わってきたと言いますか、過去の音楽って、いったいどんなものがあるんだろうと。「時間軸」に気が付いてからは、20世紀に生まれた文化全体、もちろん音楽も含めて、そういうものの豊かさに圧倒されるばかりで。いまはそういう状態ですかね。