羽生はこう自己分析している。
「現代将棋にきちんと対応できていない。どんどん変わる戦術に巧くマッチできていないところは、間違いなくあります。AI(人工知能)の影響を強く受けた新たな戦術をつかみきれていない。その根本にある発想や考え方を理解することが、簡単にはいかないんです」
また、圧倒的な強さを誇ってきた終盤の競り合いに負けることが増えた要因の一つにも、AIの影響を挙げた。
「以前よりも難易度の高い局面が増えているんです。全体のレベルが上がっていることと、難しい局面が増えて対局者にミスが増え、さらに難しくなっていることもあります」