ザリガニは、ヤゴを捕まえて食べるだけではない。体の大きいザリガニがいるだけで、ヤゴは怯えて気をとられ、蚊の幼生を食べなくなってしまうのだ。

 ヤゴは、ザリガニがいるだけで「恐怖の光景(landscape of fear)」と呼ばれる状態に陥る。すなわち、捕食者がいることで、怯えた獲物がおかしな行動をとり、その影響が生態系全体にまで及ぶこともある。たとえば、イエローストーン国立公園にオオカミが戻ってきたとき、用心深くなったシカが食事のパターンを変え、若い芽をあまり食べなくなり、植物の背丈が高くなった。

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