授乳婦がワクチンを接種することにより自身が守られるだけでなく、母乳を介して乳児にも抗体が移行することがわかった。世界保健機関(WHO)は、ワクチン接種後も母乳育児を続けることを推奨している。
ワクチンを接種した母親の体内では、免疫細胞(B細胞)が常に抗体をつくり出している。そして授乳が始まると、乳腺が化学的なシグナルを発してこれらのB細胞を乳房に引き寄せるという。B細胞はその後乳腺にとどまるが、ここで大量に産生された抗体が母乳に移行する。抗体は母乳を与えられた乳児の血流には乗らず、口や喉、腸の表面に付着。抗体が乳児の体の入り口で働くことで感染症を防いでいる可能性があるという。