2019年12月31日、AIプラットフォーム「BlueDot(ブルードット)」が異常をとらえた。中国の武漢市で珍しいタイプの肺炎がクラスター発生していると察知したのだ。カナダのトロントに拠点を置くBlueDotは、自然言語処理と機械学習を駆使して感染病の流行を追跡し、もし感染が拡まっていれば、流行地域を特定してクライアントに報告する。
そのクライアントは、医療機関、公衆衛生機関、政府、企業と多岐にわたっている。BlueDotは、のちに「COVID-19」と名づけられる新型コロナウイルス感染症の集団感染を、世界保健機関(WHO)が公表する9日前に、突き止めていたのだ。