睡眠は、気分や感情のコントロールに不可欠な化学反応を脳内に引き起こす。この反応に最も関係が深い脳内ホルモンは、メラトニンと呼ばれる。
メラトニンは、夜間に多量に分泌されて睡眠を促し、朝は目覚めるために分泌量が低下する。気分の変調とも関係があるとされている。メラトニンが分泌されて眠る時間であることを知らされても、無視して起きているような時に起きることが多い。
睡眠不足のせいで、周囲の目にも明らかなほど、機嫌が悪く、怒りっぽく、イライラするのは、メラトニンが脳の扁桃体に影響を与えているからだ。扁桃体は、その人がポジティブな経験をしている(安心している)のか、あるいはネガティブな経験をしている(怒りや恐怖を感じる)のかを判断する感情のレーダーのようなものだと思えばよい。
不安、攻撃性、衝動的な決断はすべて、扁桃体の過活動が引き起こしている。