新型プリウスのブレーキシステムで低コスト化に貢献したのが、電源が落ちたときのバックアップ方式の変更だ。ブレーキ・バイ・ワイヤのシステムでは、ブレーキペダルは単なるスイッチに過ぎないので、電源が落ちるとポンプを駆動するモータが動かず、制動力を発生できなくなってしまう。これを防ぐために、従来型のプリウスではバックアップ電源としてキャパシタを備えていた。
これに対し、新型プリウスは、従来型プリウスでは油圧ユニットと一体だったポンプ、モータ、アキュムレータを切り離して独立させ、アキュムレータからの高い油圧がマスターシリンダにも伝わって油圧ブースタとして機能するように変更した。電源が落ちた場合には切り替えバルブが開き、ドライバーのペダルを踏む力が油圧ブースタにて補助されて各輪に伝えられる。
電源が落ちるとポンプのモータは動かなくなるが、アキュムレータに蓄えられた油圧で、ブレーキ2~3回分くらいは補助できるという。これによりキャパシタを省くことができ、低コスト化につながった。