《加賀レンコンのエビ子炒め》から。レンコンは大きめに乱切りし、中華鍋で約180℃に熱したたっぷりの大豆油の中へ。レンコンを油の中で約30秒ほど泳がせ、素早く油から引き上げる。これで油通しは完了。「油から上げるタイミングは、表面が軽く色付いて、薄い膜ができたような感じになればOK」と南さん。その後は油を返した中華鍋で、エビの卵、ネギ油とともに素早くレンコンを炒めて、あっという間に完成。
料理を試食した森永シェフは「絶妙のほっくり感で、レンコンが甘くなってる。油通しで水分が抜けて、甘みと旨みが凝縮してますね! シャッキリとした歯ごたえもいい感じです」と目を細める。
「油通しなしで普通に炒めたのでは、今回のレンコンぐらいのサイズの素材に均一かつ適切に火を入れることはまず無理です。油通しの油は、素材全体に均一に熱を入れるための媒介なんです。レンコン以外でも、中国料理では葉物以外の野菜の多くは油通しを施しています」