塩水の技。これは塩を固体ではなく液状にして駆使する技である。原理は単純で、いわば水に塩を飽和するまで大量に溶かし、均一になった特濃塩水を料理の味付けに使うという技である。塩水の威力を松尾さんはこう語る。

「特に、絶対塩水でないとダメという料理は椀物。引きたてのカツオ節の香りを生かして、理想的な温度でお客さまに椀を出そうという時に、だしに粒のままの塩をかき混ぜて仕上げるような時間のロスは、命取りになるわけです。でも、塩水なら一瞬でだしと馴染んであたりがとれる。店では、塩水は必須なんですよ」

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