1年間分のレシートデータをコンピューターに入れて、何と何が購買されがちで、何と何が絶対に買われないという分析をしていき、レシートの購買パターンを定量的に分類しました。すると、3億枚のレシートが6000パターンに集約されました。
しかし、まだ多いので商品と商品の組み合わせを定義して、「ダイナミック・カテゴリー」と名付けて、ダイナミック・カテゴリー間の結び付きで再分析をしたら、最終的に20種類に集約できました。集約された20種類を読み込んでいって、これはこういう意図だと理由付けをしたところ、一般的なリサーチでは35%しかいなかったショッピング・ミッションの「夕食準備」が全体の7割以上あることが分かりました。
ただ、全体の7割というとあまりに多過ぎるので、再度、ダイナミック・カテゴリー間の結び付きを再分類しました。その結果、「夕食準備」というショッピング・ミッションの中で、最も説明変数が高かった概念は、行動や意図ではなく「おでんやカレー」などのメニューそのものでした。
SMに昔からいるバイヤーは、「ポジショニングとか何だかんだ言うけれど、夕食で人気なのはカレーとかおでんなんだよ」と言うわけです。そうか、あなたが正しかったかと。最先端の定量分析を実施したら、古いバイヤーとマーケターが分かり合えたのです。