ここで要求されているのは、
たとえば「いまの教育制度に問題がある」とか、
「現在の政治が破綻している」とか、
お決まりの、相手が賛成しそうな答えではないのです。ここで問われているのは、
「人が反対するような真実」です。
そういった、相手が反対するようなことを
あえて答えなくてはならないというのは、
非常に居心地がよくないものです。
そんなことを、はっきり表明したくはありませんよね。しかし、これこそが、まさに、
「新しいことをはじめるときの本質的な課題」なのです。新しいアイディアをかたちにするとき、
新しいビジネスをはじめようとするとき、
世界を新しい視点で見ようとするとき、
非常に居心地の悪い思いをすることになります。そこでは、聡明さよりも、
定説や常識を打ち破る勇気が必要になります。
そして、この世の中では、天才よりも
勇気のある人のほうが不足しているのです。