トイレットペーパーを買いだめする人は、世界中に不安や恐怖が蔓延するなか、コントロールできている感覚を得ようとしている。
「不安を感じたとき、それに対処する方法は必ずと言っていいほどコントロール感を得ることなのです」
「一方で感染症拡大のなりゆきをコントロールすることは現実的ではないので、人々は自分がコントロールできるものに目を向けます。そこで買い物に走るのは、何か行動を起こしている、準備しているように感じられるからです。自分がコントロールできること、つまり買いだめをすることで、支配権を握っているように感じられますから」
恐怖を感じやすい人ほど、買いだめする傾向が強かったのである。
トイレットペーパーを買いだめする人は利己的でもなければ、本当の意味での悪人でもない。ただ、恐怖を感じているだけなのだ。