シンガポール政府による接触追跡アプリ「TraceTogether」が20年3月に配布されて以降、このアプリは25,000人を新型コロナウイルス感染者への「濃厚接触者」であると認定している。シンガポールのアプリでは、検査で陽性と判定された人の近くで30分を過ごした場合に濃厚接触者と分類される。英国をはじめとするほかの国々では、この時間を15分と定めている。
結局のところ、このデジタル接触者追跡システムによって隔離を命じられた25,000人のうち、検査で新型コロナウイルスの陽性と判定されたのは160人だった(オーストラリアの新しいデータによると、同国のアプリでは20人が陽性者と判定されている)。これらの数字は、この技術に価値があることを意味するのだろうか。
「実際の値という点では、インパクトがあることがわかります」と、タンは説明する。「一方で、わたしたちが望むような大きな数字ではありません」