1960年代のVISAとかMasterCardを使い始めた頃は、事業者がそれを避けるから消費者も持っていない状態でした。事業者が受けてくれないから、消費者も使わないんです。状況としては「ニワトリと卵」だったんです。新しい技術の採用というのは、そういうものです。
ですからPayPalはそこに目を向けました。どうやったら、この「ニワトリと卵」の問題を解決できるのか。とにかく、1番最初の人が新たな仕組みを使うためにはどうしたらいいのか、ということを考えたんです。
言ってみれば、1,000万人目というのはさほど難しくないんです。1人目に使ってもらうのが難しいのです。
それで結局、お金とeメールを結びつけました。それこそeメールを使っている人は何億人といるわけですから、それと支払い、決済をくっつけていけば、もう活用できるのではないかと考えたわけなんです。