アップルのCEOだったスティーブ・ジョブズが、AT&Tに対して、新しいタイプの携帯電話(ポケットに入るタッチスクリーンのコンピュータ)の開発で手を組まないかと持ちかけたとき、アップルはモバイル・マーケットの専門知識をまったく有していなかった。しかし、AT&Tのエグゼクティブたちはほどなく、ジョブズのビジョンに夢中になり、社内手続きの規定を省略して提携を結んだ。

 AT&Tの当時のCEOであるランダル・スティーブンソンが、「デバイスに懸けるのではない。スティーブ・ジョブズに懸けるのだと、みんなに言った」ことは有名な話である。アップルはAT&Tのサプライヤーからも強いコミットメントを取り付け、サプライヤーは数億ドルの資金を投じて、iPhone専用の部品をつくる工場を建設した。

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