売れ筋商品のひとつに、「3倍長持ち」をうたったトイレットペーパーがある。通常、市販されているトイレットペーパーは「25m巻き×12ロール」が一般的だが、このトイレットペーパーは「75m巻き×6ロール」という商品だ。
1ロール当たりの長さが通常の3倍ということで割安というメリットがあるのと同時に、収納スペースが少なくて済む点や、交換頻度が下がるところが顧客に喜ばれている。メーカーにとっても、販売単価が上がる、物流効率が改善する、さらに既存の商品との差別化ができるといったメリットがある。
だが、顧客とメーカー双方にメリットがあるこの商品は、実店舗ではほとんど販売されていない。それというのも、1ロール当たりの長さが3倍ということは重量も3倍近くあり、店頭から持って帰るには相当重い。だからこそ、家まで運んでくれるECならではの商品といえる。
また、この「75m巻き×6ロール」の購入者レビューを分析して、年間購入額を比較してみると、「交換頻度が減った」と述べている顧客が約5,500円分を購入しているのに対し、「収納スペースが節約できる」点を評価している顧客は約4,700円分を購入していることがわかった。つまり、より売上を伸ばすためには、「交換の手間が省ける」ことを訴求するべきというマーケティング方針が顧客のコメントから見えてくる。