戦略は英語で“Strategy(ストラテジー)”と書く。直接の語源はラテン語の“Strategos(ストラテゴス)”であり、この言葉は古代ギリシャで生まれた。
僭主ヒッピアスを追放したアルクメオン家のクレイステネスは、各地の部族から選ばれた500名の委員で構成される評議会による民主的な改革を実行した。同時に、ストラテゴスと呼ばれる軍事上の指導職を設ける。各部族から1名ずつ、計10名のストラテゴス(複数形で“Strategoi[ストラテゴイ]”と呼ぶ例もある)が再任可能な1年の任期で選出された。そして、1名1票の平等な権利を持つ彼らが、アテナイの軍事的な活動について多数決で意思決定を行っていたのである。