多角化には「水平型」「垂直型」「集中型」「集成型」の4種類があるという。そして企業の長期的かつ持続的な成長のためには、異なる方向性を持つそれらの選択肢を吟味したうえで、戦略的に実行する必要がある。

 水平型とは、近い事業領域に別の製品群を投入する多角化であり、たとえば牛丼の吉野家がうどんのはなまるを運営するような方向性を指す。垂直型とは、自社の調達先や販売先の事業に進出することであり、ユニクロを展開するファーストリテイリングが衣料の自社製造を開始したことや、ドトールがコーヒー栽培に乗り出すことはその例と言える。集中型とは、自社製品と近い製品群への多角化であり、ダイソンがモーターを基軸として、掃除機からヘアドライアーや加湿扇風機に参入しているのはわかりやすい。そして集成型とは、中核事業の競争力を背景に、一見無関係に見える事業に参入することである。たとえば、クリニックや銀行を経営するイオンや、旅行や書籍、保険も扱う楽天の事例が当てはまる。

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