無在庫商売の古典的な代表は百貨店だ。中には自主MDとか言って在庫リスクを抱えるケースもあるがせいぜい売上げの数%で、大半はノーリスクの手数料商売だ。「消化仕入れ」あるいは「売上仕入れ」と言われるもので、かつての「委託仕入れ」と違って在庫管理責任もない(減耗ロスを負担する必要もない)。それでいて衣料品では30%〜40%もピンハネするのだから旨味のある商売だ。
それは人気ECモールとて同様で、こちらは「消化仕入れ」ではなく「販売手数料」という形で徴収するが、ノーリスクのピンハネであることに違いはない。その手数料率も「フルフィル型」(在庫を預かってEC業務の大半を代行する)では黎明期の25%前後から近年は30%以上に高騰し、35%〜40%という声も聞くから、百貨店の歩率と大差ない。在庫を預からずテナント側が出荷する「マーケットプレイス型」は「フルフィル型」より10ポイント弱、手数料率が低いが、その分、自社で倉庫管理して出荷し宅配料金も負担するから、実質的な差は5ポイント弱だ。