インドという国は、好都合な面と不都合な面の両方を突きつける典型的なケースであった。好都合な面としては、非常に若い国民(人口の65%以上が35歳未満)、上向きの可処分所得水準、携帯電話の高い普及率(ある推計によれば、人口の80%)などがある。
その一方で、不都合な面も多い。人口の67%はインフラが遅れた農村地域で暮らしている。インターネット環境を持つ国民は約35%にすぎない。クレジットカードや当座預金口座よりも、現金でのやり取りが依然として主流である。そしてインド政府は、自国の小売業者を守ろうという決意の下、厳格な外国直接投資(FDI)政策を定め、外国のマルチブランド小売業者が、オンラインで消費者に直接販売することを禁じている。