A、B、Cの3人の候補者が争う三つ巴選挙を想定したうえで、学生たちに投票者99人のプロフィールを渡す。この人はAをBより、BをCより好む、次の人はAをCより、CをBより好む……という内容が99人分続く資料だ。
そしてこの資料をもとにクラスで3種類の選挙──最も多くの票を獲得した人が勝つ「多数決方式」、候補者の選好順位を記した投票をもとに一対一の対決を連続して行なう「コンドルセ方式」、同じく選好順位を記した投票をもとに、勝者が出るまで集計を続けていく「順位選択方式」──を行なった。
それぞれの投票方法で、異なる勝者が生まれる。どの方法も間違ってはいなし、誰も不正をしていない。しかし、それでも、同じ投票で、異なる集計結果が出て、異なる勝者が生まれるのだ。