そもそもの“罪”は、中国政府がこの疾患の流行を知りながら、呼吸器感染であることを知りながら、旧正月の連休中に数百万人もの旅行者が流行地域に立ち入って飛行機に乗り、外国に渡航することを許したことです。そのときが、この疾患の芽を摘む最初のチャンスでした。
2番目はトランプです。中国のあとでチャンスがあったとすれば、それは(米国が)ウイルスを深刻に受け止めることだったでしょう。ところが、トランプは現実から目を背けました。気づかないふりをしたのです。例えば、クルーズ船の乗客がサンフランシスコに戻ってきたとき、トランプは「(乗客たちに)米国の土を踏ませたくない。感染者数にカウントされたくないから」と言ったのです。この出来事は、新型コロナウイルスがどのように政治化されてきたかを端的に示しています。