オフライン事業(いわゆるブリック&モルタル)ならば課せられる、コモンローの判例上の注意義務なども、免責特権によって、オンライン事業者ならば軽視しても問題ない。極端な場合、無視してしまっても構わない。企業としては不誠実のそしりは免れないが、しかし、それでも裁判で勝てることがほぼ確約されているからだ。つまり、社会的規範に則って当然行われて然るべき顧客や取引先への配慮や注意、ならびにそれに伴う各種の社内部署や手続きなどの設置の一切合財を、オンライン事業者は気にする必要がない。むしろ、それをよいことに果敢に事業の規模の拡大、範囲の拡張を試みることができる。オフラインの現実社会でなら企業が当然負うべき社会規範的な責務からも、オンライン事業者たちは実質的に免除されてしまっている。