「あの千田先生ですら『Threadripperを買ったばかりなので……』と、GPUを購入してディープラーニング系のソフトを導入することにためらいを感じている様子でした。だったらプロ棋士に普及するのは難しいんじゃないかと……」

「だから藤井聡太先生がディープラーニング系を導入していたと聞いて、逆に驚いてしまって」

「GCTが相掛かりを最も指していたのは昨年の11月頃。ちょうど藤井先生が相掛かりを指し始めた頃と一致しますし、インタビューでもその頃にディープラーニング系のソフトを使い始めたと……」

「今年5月に公開したモデルだと、相掛かりはあまり指さなくなっているんです。弱点だった振り飛車の棋譜を学習した結果、矢倉や角換わりがメインになっていると思いますが、藤井先生も最近は相掛かりよりもそちらを指すようになっていて……もしかしたら、影響があるのかもしれないなと」

 渡辺明名人も『最近、藤井くんの形成判断が他と違ってきている』と危機感を抱き、杉村に依頼してディープラーニング系のソフトのセットアップをしたのだから。

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