リンクトインは2015年、中国のインターネットのエコシステムは世界のほかの国々と著しく異なる、という正しい判断を下した。

 バイドゥとアリババとテンセントが市場を支配し、中国の消費者はモバイル機器を通じてネットにアクセスする傾向がどの国よりも高い。したがって彼らの行動には重要な違いがある。アプリへの登録に、メールアドレスではなく電話番号を使うなどもその一例だ。

 ユーザーの嗜好・行動の純然たる違いに対応すべく、リンクトインは中国で自社のフラッグシップ製品(LinkedIn)を投入してからわずか1年後、「赤兔」(Chitu)というまったく新しいスタンドアローンのアプリの投入を決めた。中国の消費者向けの機能も盛り込まれている。モバイル登録やQRコードスキャンなどだ。

 残念なことに、赤兔は全面的に新しい製品であったため、顧客はリンクトインのグローバルネットワークから切り離されていた。

 結果的に、巨額のコストがとどめの一撃となり、赤兔は4年後に廃止された。

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