ザッカーバーグは2019年、自社の傘下にあるInstagramやWhatsApp、Messenger、Oculusに「Facebook」の名を冠し、Facebookとは単なるソーシャルメディアの「Facebook」ではなく、“アプリのファミリー”であることを人々に思い出させた。
企業の社名変更には、いくつかの理由がある。例えば、アップルが「iPhone」を発売したあとで「アップルコンピュータ」と名乗ることをやめたように、ビジネスにおける“野望”を反映している場合だ。
また、グーグルが社名をアルファベットに変更し、ラリー・ペイジがグーグルではなくアルファベットのCEOとなったことで検索以外の分野におけるリーダーシップを明確にしたように、企業再編の意図を示すこともある。たばこメーカーのフィリップ・モリスが2001年に社名をアルトリア・グループに変更したように、企業が傷ついたブランドから距離を置こうとする場合もあるだろう。
フェイスブックのメタへの社名変更には、これら3つのすべての要素が含まれている。フェイスブックは単なるソーシャルメディアの企業ではなく、“メタヴァース企業”として自らを再定義したいと考えているのだ。