アジア系アメリカ人にとって、大谷の活躍はアジア人の強さの証拠であると同時に、自分たちがアメリカ人であることの証しでもある。大谷の技術と身体能力、際立って慎み深い態度は、アジア人に関する「引っ込み思案」で「小柄」だといった年来の偏見をひっくり返すに十分だ。いまアジア系の人たちに聞けば、大谷翔平は「われら異国で暮らす誇り高きアジア人社会の代表格」だという答えが返ってくる。

そのとおりだろうが、今年の大谷フィーバーで特筆すべきは、彼の人種や国籍を気にするファンがほとんどいない点だ。私も含め、アメリカ人はみんな、大谷を見て彼こそ当代随一のプレーヤーだと思った。今年のようなプレーをあと何年か続けたら、史上最高の選手と呼ばれてもいい。彼にはその資格がある。

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